ロシア革命100周年によせて

今日はロシア革命100周年です。
1917年11月7日世界で初めて社会主義革命が起こった日から100年。
京都新聞が特集記事を掲載していました。
私の大学時代などは周りに右翼も左翼もいて政治のことについて議論することが多かったです。時代を感じますね。
当然のことながら社会主義革命について誰もが賛否いずれかは別として一家言を持っているようでした。
近頃ではすっかりこの国の政治状況も「安定」?してきてもうロシア革命など歴史の中の過去の話のように若い人たちは感じているのかもしれません。
今日、革命100周年を記念して我が家ではウォーレン・ビーティーの「REDS」を観ました。とにかく長いんですよね。大学院時代には「レッズみたか?」とよく先輩方から聞かれたものです。
なんでダイアン・キートンはあんなにうっとうしいのか?とか。
あれって単なる自叙伝では?とか。
よく話題にのぼっていました。

ところで社会主義共産主義という言葉がありますが、意味をきちんとわかっている人は少ないのではないでしょうか。
一体いかなるものか?またその二つはどう違うのか?
よくわからないまま混同して使っている人も多いのではないでしょうか。
息子の小学舘の国語辞典を調べてみました。かの金田一京助先生監修です。
それによると
社会主義:資本を社会の共同のものにして誰もが同じように利益を受けられるようにしようという考え方。
共産主義:土地や会社などを国民で共有する社会にしようとする考え方。
なんだそうです・・・
社会主義共産主義と言うと、とにかく悪・暗黒・地獄と言うイメージしか今の多くの日本人にはないのではないでしょうか?
ずいぶん辞書には違うことが書いてあるなとあらためて思いました。
これに対して資本主義は同じく金田一先生によると、
資本主義:資本家が利益を得ることを目的として働く人を雇って物を生産する経済の仕組み。
だそうです。
確かにそうですね。

金田一先生は左翼で社会主義共産主義のいいことばかり書いているのか私はよくわかりません。
でもまぁ辞典と言うのは言葉本来の意味を無機質的に中立的に表しているものなのでしょう。

社会主義国のこれまでの軌跡や世界各地での共産主義活動についてはあまりに多くのことが頭に浮かんできてとても今、何か言おうという気にもなれないのが本心です。
でもあえてこの節目の日に少しだけ言葉を発するとすれば、

うまくできなかったあまり美味しくないカレーを食べて「カレーはまずい。」と思うでしょうが、それと「カレーというものがそもそもまずい。」ということは別問題だということです。

このことを大きく誤解している日本人が多いと思います。
昨今、愛国や懐古主義がもてはやされる一方でじわじわとではありますが、資本論ブームも巻き起こっているようです。(いろいろな著書をみかけます。マルクスの現代的意義の再評価。今こそマルクスと言う声が多くの論者によって紹介されています。)
人間の欲望ほど強大で限度のないものはありません。
少し考えてみればわかることです。
良心や道徳心、人間味のようなものに期待すれば上手くいくのではないかという考えもあるでしょう。そういった努力が無意味とは思いませんが・・・
社会主義共産主義というのは、いわば性悪説的見地からこの恐ろしい怪物を鉄の檻に閉じ込めてしまおうという考え方だと思います。
本当に美味しい完璧なカレーなどまだ一度もできていないのです。
でも本当に美味しいカレーを目指すのなら作り続けなければなりません。
何度上手くいかなくても。

でもそもそもカレー嫌いという人もいますよね?あなたはいかがですか?
みんな一律に10万円もらうよりたとえ5万円しかもらえなくても他の人が3万円しかもらっていなかったら幸せを感じるから一律なんて嫌だという方。ひょっとしたらあなたはカレー嫌いなのかも・・・?
ロシアでは革命の歴史的評価が再び高まっていると記事にありました。

一度「資本論」を読んでみるのも面白いのではないかと思います。
もちろん原典でなくていいのです。
そこから現代の日本社会を垣間見れば何か思いあたることがあるかもしれません。