まもなく2019年を迎えようとしています。平成の終わりの年だそうです。
皆さんの周りには希望があふれていますか?楽しい一年でしたか?
来年に向けていいことが起こりそうでしょうか?だといいですね。
でも一般的にこの世の中を見てみると、相変わらずブラック労働とか、いくら働いても残業代をもらえない、
「働かないと食べていけない。私、子育てしているシングルマザーなのに。子どもを入れようと思っても保育園にも入れられない。そのことをちょっと訴えたら世間からたたかれる。」など・・・
「国保税が年収の1/10以上になってそれだけで病気になりそう。」
「ガソリンちょっと一世代前、お父さんの若い頃は70円か80円ぐらいだったのに今はどうしてその倍もするの。聞いてみたら1リットル150円のうち、半分ぐらいの70何円かは税金なんだって。」とか一般に「逆進性」という言葉で表現されているように懸命に働いている勤労者層にかえって過酷で一方で資産運用など指一本動かさなくてもお金の入って来る仕組みを持っている富裕層に配慮した政策が次々と繰り出されています。
台風、地震、原発事故後の放射能。いろいろな災害があるのに十分な手当てもされないまま期限が来れば「もう知りません。」と放置されたまま。そういった被災地も多いのです。
未だに手をつけられてないままのところもあります。(和歌山にある畔も飛び谷川の護岸が崩壊したままの私の水田もその一つです。)
それなのに一方で再来年には大規模なオリンピックが東京で催され更に万博もやると、そしてこの地元滋賀でもバブル国体というべき大予算の国体を行うということが報じられています。
「破産するんじゃないの?この国は。」と言う人も多いです。
でもなぜかそちらへ突き進んでいく。そういったことを標榜して推し進めていこうとする安倍内閣・安倍政権を引きずり降ろそうという気配はこの国にありません。
なぜでしょう?
今まで歴代の総理大臣には様々な特徴があったと思います。
「人間ブルドーザー」と言われ辣腕さと実現力とバイタリティーでならした田中角栄。
冷静さと分析力、長々とした演説でプロフェッサーと言われた福田赳夫など歴代の自民党の保守系の総理にもいろいろな特色があったと思います。
今の安倍晋三の特色、彼に特化しているものとは一体何なのでしょうか?
外交力があるわけでもなく経済政策はアベノミクスなどと言っていますが何の成果があったのか一般庶民にとっては何の実感もなく。
でも彼が歴代の総理大臣の中で特に特化しているものがあります。
それは何かと言うと、とにかく自分の評判を気にして悪口が出ないかということを細かく細かく調べてそれに対して反論することです。
そしていろんなことを大したことでもないのにそれが何だということを、いかにもさもありなんとばかりに大した成果をあげたようにアピールしていくことです。
そしていろいろな大変な問題があるのにそれをいかに上手く隠蔽していくかということです。
つまり一言で言えば「困った現状を見えなくしてくれる。」ことです。
これについては彼はとても天才的だと思います。
それ故に現政権やその取り巻きは日本の問題点をずばりえぐり出したような「万引き家族」に対してはいくらそれが世界で映画作品として不動の評価を得ようとも無視しできれば抹殺したいと思っているのです。
今の日本は考えてみれば経済も沈滞し、かつては「Japan as No.1」などと礼賛されたようにアジアの中でのNo.1と言えば日本であったことは間違いありませんが、今では「アジアの盟主は誰ですか?」と聞かれたら世界中の人が間違いなく「中国」という時代になりました。
技術と言う面をとってもいわゆるスマホといったものを買おうとしても「サムスンのはありませんがパナソニックのでもいいですか?」と日本の販売員自体が申し訳なさそうに言う時代になりました。
次々と発覚するスバル・シャープ・三菱自動車など大企業の不正隠し、世界的な日本の技術の信頼の失墜、この国の財政の累積赤字はとうに百兆円を超えているのです。
国民一人に対し65万円の借金をオギャーと生まれた子どもからご臨終間際の老人までしているようなものだという話が十年以上前にありましたが、今では実質さらに拡大しているのかもしれません。
株価というものを何とか支えながらまた落ちてまた少し上がってということを繰り返していますが、日銀が大量に株を買い支えているという現状は少なからず皆さんもご存じだろうと思います。
つまりやらせで今の経済を何とか上辺だけ高値のようにしているだけで実はポンと押せば倒れてしまうような床下が割りばしで支えられているような大豪邸のようなものなのです。
なんと恐ろしいことでしょうか。
いつその崩壊がやってくるのでしょう。
でもこういったことすべてを「大丈夫なんだ。」「経済は伸びているんだ。」などということをGNPの数値操作だけを行って示したり、「この国はまだまだやれるんだ。」(「シン・ゴジラ」に出てきたセリフですよね。)とか「希望のある国だからオリンピックができるんだ。」などということを言ったり、とにかく今の政権というのは都合の悪いことをひたすら国民に見せないで「大丈夫だから」「大丈夫だから」と言うことにかけては天才的だと思います。
でもこれは彼一人が悪いのではなくて私が思うのはどうも今の日本人が「これからどうしていったらいいのかわからない。」「どう変わっていったらいいのかわからない。」「でも今まで日本は頑張ってやってきた。昭和の時代は良かった。」「日本は中国よりすごい筈だ。韓国よりすごい筈だ。」「アメリカも日本がアメリカ以外ではNo.1だと思ってくれてた筈だ。」という幻想を、結構若い世代まで捨てられないでいるからなのでしょう。
そんな日本人のこれからの日本の未来に向かっての困った面やはっきりした現状というのを見たくない「逃げの心理」というものをうまくとらえて、そして「大丈夫だよ。日本は大丈夫なんだ。いい国なんだ。」という幻想を持たせてくれるのが今の総理大臣なのでしょう。
だから安倍内閣を日本人は引きずり下ろすことがないのだと思います。
しかしながらよく例えであるように破産しかけている破滅家族はバカ騒ぎのパーティーのようなことを何度も繰り返したり豪華な旅行を目先に繰り返してそのあげくに全員家族で首をつって自殺したとか一家が離散したとかそういったことは実話やまたいろんなドラマでも示されている通りです。
破滅家族には派手なパーティーが必要なのです。それが必須なのです。そうでないとやっていられないのです。そこに目を向けて「さぁそのパーティーに向けて準備をしよう。」「パーティーに向けて買い物をしよう。」「家の中も片づけてきれいにしてみんなを招かないと。」そういった狂騒曲をやることによってその後ろにあるみすみすわかっているような重大な局面から目をそらそうとしているのです。それがオリンピックであり万博だと思うのです。
その後に何が待っているのか。考えてみれば恐ろしいことです。
莫大な経費負担。それを間違いなく国民に転嫁してくることでしょう。もう「貯金」はない国なのですから。
一体、経済にどのような破綻が起きるのか。どのようなひづみが起きるのかわかったものではありません。(更に輪をかけて首都圏直下型大地震などということも以前から指摘されている通りです。)
福島の問題にしてもそうです。
甲状腺ガンの多発。いろいろな疾患というものが確実に増加しているのに「アンダーコントロール。元気にサッカーボールを蹴っています。」などと言ってオリンピックを誘致し、更には福島産のものを殊更に子どもたちに食べさせようなどとまさに子どもたちを「生贄」にしてでも「この国は大丈夫。」だということを国民に示そうということなのです。
破滅が迫っている危機家族の駄目なお父さんがやるもう一つの手法は、とにかくご近所の悪口・周りの悪口を言ってそちらに目を向けさせることです。
ほんのちょっと、隣のお家がゴミを出す時に自分のお家の前を汚したとか、そういうことについて難癖をつけ大きく文句を言い、「〇〇さんは困ったもんだ。いつもあの調子だ。」「あの人は行儀悪いんだ。ああいう人間性だから。あれが十八番なんだ。」こういったことばかりを言う。
そして逆に昔本当に都合悪いことがあっても、例えば「自分のところのひいおじいさんが〇〇さんのところの奥さんにちょっかいを出して大騒ぎになった。」というようなことをきちんと解決しないまま今まで続いているにも関わらず「いや。そんなことはうちのじいさんはしていない。していないはずなんだ。なのにそういう因縁をつけてくる嫌らしい家なんだ。」というようなことを言ってそれをネタに逆切れしてさらにその家の悪口を家族に何度も吹き込んでいく。
とにかく他人の悪口です。
目先の乱痴気パーティーと周りの悪口。
はっきり今の日本に当てはまることです。
後者の代表がいわゆる「ネトウヨ言論」というものです。
「ネトウヨ」の実態というのはどうも若手の引きこもりじゃないかと思っていた人が多いのですが、最近の詳細な調査では実は50歳代を中心とした自営業者の小金持ちのいわゆる「町の社長さん」が多いというのです。なんと困ったことでしょうか。
仮にも人の上に立ち、分別のある振る舞いをしなければならないような人たちがこの有様というのは。
実際このようなネット上での言論を行っている個人がいくらかは存在するのだと思います。
でも私が強く持っている疑惑は、この「ネトウヨ」というのはそもそもは「官製品」ではないかということです。
初めにその手の部署のお役人さんが頑張ってスターターキャラクターを生み出し、それに阿寒湖のマリモが大きくなるように周りに付和雷同して似たようなことを言いだす輩がはりついて増殖してきたのではないかと思うのです。私はちょっと前にネット上で数十人もの人たちがパソコンを並べてひたすらそれをのぞきこんでいる情景の投稿を見たことがあります。そしてその投稿には「みな、この人たちは公務員。反政権的な記事をチェックしそれに反論的なコメントをつけていくのが仕事。自分もその一員だったけど。」とありました。この投稿の真偽のほどはよくわかりませんが、実際に内閣府に大量の人員を配置して日々ネット上に反政権的な言論がないかを巨額の国費をかけてこつこつとチェックしているというのは十分やっていそうな所業だなという印象は拭えません。
森友・加計問題、辺野古、南スーダンの自衛隊日報問題など政権にとって不都合なことを指摘するネット上の投稿がすぐさま削除されていることを頻繁に見かけます。
SNSの運営主体が全く政権の思うがままにコントロールされていて情報統制がなされている様は現政権の労作と言えます。
まぁそれはさておき本当に困った世の中です。
「メッセージ」に惑わされず「事実」を直視していかねばなりません。
そして破滅家族になってしまわないようにみんな勇気を持って、実際この国はどうあるべきかを考えていかなければなりません。
そして本当に駄目だと思ったらそんなお父さんに勇気を持って言わねばなりません。
「本当にこのままでいいの?もう私たちを騙さないで。」と。
2018年12月