『コロナ』が照らし出すもの

コロナウィルスの脅威が止まらない。各国政府とも万全の対策を国際間で連携してとってもらいたいと切に願うのは私だけではなかろう。

「経済への影響」という言葉の下、我が国でも本当の初期にシャットアウト対応が出来なかったのだと思う。それを完璧にできたのは、純粋に社会主義国北朝鮮だけだ。何かを感じてしまう。

「絶望の隔離都市、武漢から5000人脱出中」「日本の病院へ!」などというデマ&アホ記事を載せて売り上げを伸ばす『女性〇〇〇』なるゴミ雑誌もいつもながらにあきれる。こういう思慮のないイエロージャーナリズムがまちがった民族主義的偏見をつくり出す。でもこれ以上に驚愕することがあった!

 

デンマークのとある新聞社が、中華人民共和国の国旗「五星紅旗」の黄色の5つ星をコロナウィルスの型に変えたイラストを作成、公表し「コロナシンドローム大変!」といった記事を載せたのだ。もちろん、中国政府から厳重な抗議。

「別に中国人を傷つけるつもりはなかった。」とか・・・一体、どういう神経なのか?

 

デンマークと言えば、近頃「エコの先進国」とか「福祉充実のお手本」のように持ち上げる日本人も多い。でも一方で国籍取得の条件として外国人にデンマーク語の習得をかなりの執拗さで要求したり、又、「デンマーク検定」のようなテストも課すなど民族的国家的な色彩が色濃い、「デンマーク人になるからには伝統のデンマーク色になってくれないと許せない。」という姿勢があらわだ。最も驚愕したのは、アラブ系の帰化希望者に対してイスラム教徒であることは明白なのに、クリスマスの行事を行い、礼拝やクリスマスの飾りつけなどの祭事もきちんと家庭に於いて行っているか?を行政マンが検査しに訪れ、それが認定されないと帰化できないらしい!

女王様のお誕生日は、国民総出で旗をふってお祝いしないといけないらしい・・・

これって中世の王国のまま?

エコ発電とか楽しくかつ学力もつく教育とかもてはやされる一方で、もう一つのデンマークの顔があるようだ・・・(かの国はエコ発電とかいう一方で実は大変な石油産出国で石油売上で大きな収益を得、それで「エコごと」の数々も行っているらしい。)

 

超大国への途をまっしぐらに上ってきた中国。社会主義は、全くのお題目でアメリカをしのぐ資本主義大国となりました。今や工業技術、IT化、社会の壮絶な階差、都市と農村の問題・・・どれをとってもBIGすぎます。

コロナウィルスの一件を境に中国が少しは、大国一直線からまともになってくれると良いのですが。(まあ、ほとんどそんな望みはないでしょう。)

一方、我が国ではこのコロナウィルスの一件で中国人への根拠なき反感が生まれないといいのですが・・・

 

普段は都合よく中国製のものばかりで日常生活して、爆買いインバウンドでもうけて、なんとか経済を支え、いざこういう一件があると、「とかく中国っていう国は不衛生だから、ハトでもバッタでも喰う、ネズミでも生で食べるし(中国ではそんなことはしていない)、中国人はきたない。来てほしくない。」「日本はキレイな国、日本人は行儀よく礼儀正しい民族だ。」

よく言えたものだ。民族主義というのは、時として洪水の濁流のように人の理性と愛をおし流して行く。

対韓問題でもいつも同じですよね。

もし、今、首都圏直下型大地震が起きて、昔の関東大震災のような状況になれば、今日でも間違いなく日本人は、又、かつての大震災時の「朝鮮人虐殺事件」のように、東京にいる朝鮮人・韓国人の人たちを虐殺するのだと思います。

間違いなく、現代の日本人は「やる」と思いますよ。

「デマ」が「デマ」を呼ぶ。かつてもそうでした。

特高警察でも右翼でもない。ごくふつうの一般の東京の人たちが、時には子どもたちまでがよってたかって「朝鮮人が襲ってくる。チョーセンが水道に毒を入れに来るハズだ。」と言って、次々と生き埋めにしたり、井戸に突き落としたり・・・

「普通の人たち」がやったことなのです。日本人ってそういうことをする奴なのです。

私も日本人の一人です。自分の中にもそんな危険があるはずです。それを心して、普段から真実とウソを見分ける努力、自分の頭で考える努力をしているつもりです。

 

かの昭和のヒーロー、初代仮面ライダー藤岡弘氏が、南半球の貧困なる子どもたちの問題と日本人の独善にふれ「自分だけよければいいと言う心、それがショッカーだ。誰の心の中にもショッカーはいる。私の中にも。」と語っていました。

けだし至言だと思いました。

「私はネトウヨなんかじゃないし。そんな非人道的なことなんかする訳ないわ」とタカをくくっている人ほど危ないのでは・・・。

 

日本列島の半分の面積が焼失したオーストラリアの大火災の惨状が先日、新聞記事になっていました。その同じ新聞にデカデカとカラーの全面広告で豪華客船でのオセアニアクルーズの広告も載っていました。(ロイヤルスイートはお一人様一千万円以上!)。

「東南アジアとか中東の国とか後進国って、排気ガス沢山出してるでしょう。まだまだ環境意識が遅れてると思うの。」

「エコを考えないといけない時代ですもの。私はジェット機を使わない船旅を選んでますの。私はかなりエコな人ですのよー。ホホホ。」とかのたまう大富裕層のご婦人とか、きっとご乗船されるのだろう。そういうあなたの中には、ショッカーはいませんか?